レディネス数感学習

小林博士から学んだこと

故小林茂広理学博士は受験合格を目標とした数偏重の今日の算数教育のありかたに疑問を抱き、算数は難解な定理の暗記や計算問題ばかりを扱う難しい抽象的な世界ではなく、『手』でさわって実感できる楽しい、不思議に満ちた世界であることを子供達に経験させる必要性を説いた。そして自ら開発した数理的な教具を実験道具として子供に与え、それらを操作して遊ぶ過程で学習を成立させるシステマティックな教授法を編み出した。これが『レディネス数理色板・数理積木遊び』の原型である。『レディネス数理色板・数理積木遊び』とはハードウェアとしての教具と教授法としてのソフトウェアとを総称する命名である。

『レディネス数理色板・数理積木遊び』の概念指導

数概念の形成

数概念に関する3つの普遍性:1対1の対応、順番、分解合成に関する普遍性
離散量--伸びる量--拡がる量--数字への移行
ドット--タイル・積木--色板(具体物–半具体物–抽象=数字)

アナログ算数の重視

抽象的な数字・具体的な図形

図形作りと数作り

紙と鉛筆を与えて書かせるのではなく、物を与えて作らせる教育に徹する
『手』と『頭』で考えさせる教育

数と図形の融合学習

数の図形的表現
図形の加減算
多角形作りと具象図形作り
図形の不思議で数の抽象性の認識

遊びで学習の成立を

教えこまず、自分で気づかせる教育
知識の先取りの禍
知的刺激の与え方次第で飛躍的に伸びる知能

レディネスの形成

加減算レディネス・乗除算レディネス・分数レディネス・図形学習レディネス・文章題レディネス(○描き解法)
科学の方法の習得
記憶と分類の習慣

数理的感覚と造形的センスの育成

指導のポイント
  1. 最初から数字を用いた暗記型の押し付け指導はしないこと。
  2. 1-3までの数の概念をまず形成することが肝要である。
    そのためには、ドット・タイル・積木などで繰り返し数の中身を具体的に把握させる工夫が必要である。
  3. 色板や積木も2-3個の使用にとどめ、それでも種々の造形が可能であることを『手』を通して経験させる。この経験が図形の不思議さや素晴らしさ、造形遊びの楽しさに子供を開眼させる。子供の好奇心をそそり、もっとしたい、もっと知りたいという気持ちにさせることこそが学習を成立させる第一の条件である。
  4. 決して解答をせかしたり、答えを教えないこと。まず自分で考えさせる。そして指導者は子供のしていることをよく観察する。色板や積木の扱い方を観察すれば、その子が何を考えているか、何が分かっていないかがはっきり掴めるはずである。ここに物を手で操作させて手と頭で思考させる教育法の最大のメリットがある。なぜならその子に必要な知的刺激やヒントが何であるか指導者は的確に把握して適切なアドバイスを与えることができるからである。
  5. 子供は非常に合理性を好むものだということを常に念頭においた指導を心がける。子供は納得のいく説明を求める。彼らは学ぶことが好きである。わけのわからない状態に置かれると大概の子がひどい癇癪をおこす。意味の分からない計算ドリルの繰り返しを喜んで受け入れていると考えるのは大人の横暴である。楽しいことを知らないから、計算さえできたら大人は賢い子だとほめてくれるから、いやいやでもやるしかないというのが子供の言い分である。そして大人へのしっぺ返しのように数の持つ意味のわからない子が激増しつつある。
    1メートルと1センチと1ミリの違いを掴みかねている子が増えているという現実を目のあたりにして幼児期から数の概念をしっかりたたきこむ指導の重要性を痛感している。

 

レディネス数感学習とは

  • 算数は本来、図形と数のバランスが取れたものでなければなりません。私たちの周囲にあるものはすべて形をもつ図形だからです。子どもは自分をとりまく世界を手で触って確認することによって、物事の理解やイメージする力を育てていきます。具体性のある図形と、抽象的で便利な数量表現の双方が必要なのです。
    しかしいつの間にか小学算数は「代数教育」(数量教育)にかたよっています。計算問題は得意でも、応用問題・図形問題になると思考が止まってしまう子どもが非常に多くなりました。四谷大塚が2008年から行っている全国統一小学生テストの結果にも、このことがはっきりと表れています。
    数と図形の融合学習で、楽しみながら学習のレディネス(下地)を育てるのが、レディネス数感学習です。目に見えない基本図形が頭に浮かんでくるようになれば、応用問題でも自力で解いていくことができます。

  • レディネス数感学習は、紙と鉛筆ではなく、手で考える学習です。勉強は嫌でも遊びや実験の嫌いな子どもはいません。子どもたちは実験道具として色板や積み木を手渡され、それを手で操作するうちに課題の答えや意外な答えを次々と発見することができます。3才児が120分の授業をむずがらず受講できるのは、このプログラム化された遊び学習が面白くてたまらないからに他なりません。
  • 幼児期からペーパレス立体遊具で学習レディネスを形成しておくと、子どもの次のような性質が育ちます。
    1.学校で学ぶ抽象的な定理や公式を、手で学んだ事実の裏づけ・具体的な真理として抵抗なく受け入れる力。
    2.未知の問題に遭遇した時、過去の自分の経験に照らして、分析・推理して想像力を働かせ、自分で解決方法を工夫する力。
    3.物事を系統的に、システマティックに考える力。
    4.記録・分類の習慣化などの科学性。
    5.観察力・探究心・思考力・持続性・自発性・創造性など。
  • 私の教室に広島から通ってくる男の子は、広島大学付属小学校の入試で、300人中40人しか合格できないという難関を見事に潜り抜けました。お母さんからお話を伺いましたが、試験はペーパレスで、積木で決められた図形を作る問題が出たということです。京都工芸繊維大学に合格した子もいました。お母様から、AO入試で合格できたのも、レディネス数感学習で身についた応用力のお陰だとのお手紙をいただきました。一流企業に就職できた子もいましたが、聞くところでは、入社試験が三回あり、その三回とも、空間把握能力をみるテストばかりだったそうです。大阪から通ってくる小4と小5の二人の女の子は、大阪市が行う診断テストで、算数が100点でした。算数が100点だったのは全学年で二人だけだったそうです。東京の模試で別の小4の子たちも、金メダル・銀メダルをとってくれました。皆、1歳前後からレディネス学習で数理的感覚を磨いてきた子達です。

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  1. 初級プログラム(対象幼稚園から小・中学校全般)
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